引っぱらないリーダーのチーム作り戦術
みなさんのチームにはチームの方針はありますか?
チームのメンバーが理解して実践できるように共有されていますか?
私たちのチームでは、新しい期が始まり少し経ってマネージャーから今期のチーム方針について共有がありました。
私はチームのリーダーになってからは、目標の1つとしてチームマネジメントを設定しています。
リーダーになって最初の半年は、1on1などを通して主に自分とメンバーとの信頼関係の構築に取り組みました。
次の半年、今期は1対1の関係から範囲を広げチーム作りに取り組みたいと思い、チームを作るとはどういうことなのかをあらためて考えてみました。
「THE CULTURE CODE 最強チームを作る方法」という本と「『一緒にいたい』と思われるリーダーになる。」という絵本を参考に引用しながら、チーム作りに必要なこと・リーダーとしてチーム作りにどう貢献していくかを書きたいと思います。
期初からもう2ヵ月半近く経っていますが…ようやくまとめられました。
強いチームを作るために必要なこと
THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法によると、強いチームを作るために必要なことは以下の3つです。
- 安全な環境をつくる
- 弱さを共有する
- 共通の目標を持つ
安全な環境をつくる
安全な環境とは心理的安全性が高い環境ということです。
心理的安全性については、Googleのre:Workで詳しく述べられています。
私たちのチームの今期のテーマは文化と構造 Culture & Structureです。
- 雰囲気づくり Culture
- 人が増えればばらつきも大きくなる
- 全てを包み込む
- 仕組みづくり Structure
- 問題なのは人ではなく構造
- 人が増えても耐え得る構造を
このテーマは安全な環境をつくるための要素だと私は解釈しています。
雰囲気づくりは、それぞれ得意なこと不得意なこと・価値観の違うメンバーに対してお互いにその違いを受け入れて認め、フォローしながら仕事をしようという考え方です。
仕組みづくりは、チームで何か問題が発生した場合に、その原因を人ではなくチームの仕組みに求めて議論をし改善していこうという考え方です。
大雑把にまとめてしまうと、お互いを尊重して認め合って毎日気持ち良く働こうねってことです。
リーダーシップとは、責任や権限といったことではない。
自分の部下である人たちをどう思いやるかということなんだ。
「一緒にいたい」と思われるリーダーになる p.015より
リーダーには目標に向かってメンバーを導くという役割が求められます。
メンバーの能力・価値観・存在を認めて安心して仕事に取り組める環境をつくるというのも、導く方法の一つだと私は考えています。
メンバーが自分は認められていると感じるためには、日頃から承認(認めていること)の態度を示し続けることが重要です。
私たちのチームではリーダー・メンバー間で1on1ミーティングをしています。
1on1では対話を通してメンバーが抱える課題を解決に導くことも目的としてありますが、メンバーへの承認を示し安全な環境をつくる場でもあるということを意識しています。
1on1の始めに「よかったこと・なにか」という項目があり、私からメンバーに対して良いと思ったこと・助かったこと・感謝していることなどを伝えています。
当初はアイスブレイクとして用意した項目ですが、これも承認を示す一つの方法だなと少し経ってから気づきました。
どうすればより相手に伝わるように承認を示せるのか、今はNLPの基本がわかる本などを読んだりしながら勉強中です。
これについては、また別の記事でまとめたいと思っています。
弱さを共有する
弱さを共有するというのは、おどおどした態度をとったり、だらしないところををさらけ出すことではなく、自分の知らないことや失敗を認めて助けが必要だというメッセージを発信していくことです。
ここで一番言いたいのは、リーダーは率先して弱さを共有しましょうということです。
本当の力は、自分の弱さを認める勇気から生まれる。
「一緒にいたい」と思われるリーダーになる p.101より
リーダーになりたての頃、私はとても大きな勘違いをしていて、リーダーは全てを把握していて全てを決めなくてはいけないと思い込み勝手に謎のプレッシャーを感じていました。思い出すととても恥ずかしいです…
自分の弱さを共有するのは、不安をともなうし気まずさを感じることもあります。
しかしそれを乗り越えて、リーダーが率先して自分の弱さを共有するという行動をとることで、メンバーも安心して自分の弱さを共有することができるようになります。
知らないことを隠したり、嘘をついて失敗をなかったことにすればその時はできる人に見えるかもしれません。でも、そんな人は信頼できませんよね?
お互いが隠さずに弱さを共有し合うことで信頼が生まれ、チームとして協力し合うことができるようになっていきます。
自分の弱さを共有することと合わせて、メンバーが弱さを共有してくれた時にそれを受け入れてフォローするのも忘れてはいけません。 お互いに弱さを共有する → フォローするのループを繰り返していくことが大切です。
共通の目標を持つ
現在、私はCRE(Customer Reliability Engeneer)チーム*1のメンバーとして働いています。
私たちCREチームの理念は技術と信頼の追求です。
少し補足すると、「エンジニアリングでCSをサポートすることで、顧客信頼を最大化し、ユーザーサプライズファーストに貢献する」*2です。
なぜCREチームがあるのか、どのように・なにをして会社に貢献するのかということがこのCREチームの理念に表わされています。
また、CREチームが大切にする価値観として以下の3つがあります。
- Challenge: 勇気が必要な行動
- Reliability: 組織の信頼につながる行動
- Engineering: 技術による事業貢献
CREに因んでいて覚えやすく、内容もCREにとてもマッチしていると思ってます。
何かを決断しなければならない時に悩む場合は、チームの理念を基に「CREチームのメンバーとして何をするべきか」を考えることで、私を含めチームのメンバーは自分たちで決断をすることができます。
そして、チームの価値観を基に「CREチームのメンバーとしてどう行動するべきか」を自分たちで決めることができます。
チームとして共通の目標(理念、価値観)があることで、細かいルールを定めずとも自分たちで考え判断し、行動することができます。
チームに仕事を命令するだけでは、「労働者のトップ」にすぎない。
チームを信頼して仕事を任せてはじめて「リーダー」になれる。
「一緒にいたい」と思われるリーダーになる p.109より
ここでのリーダーの役割はメンバーが理念に基づいて判断できるようサポートしていくことと、あとはその判断を信頼して任せるということだと思います。
私もそうですが、誰かが決めた事に従うよりも自分で考えて決めて行動をする方がモチベーションが上がるし楽しいですよね?
おわりに
安全な環境をつくる・弱さを共有する・共通の目標をもつに対して、私が実践しようとしていることを書いてみましたが、書いてみるとどれも本当にちょっとしたことだなと感じます。
私はメンバーを引っぱっていくタイプのリーダーではないなという自覚があるので、そのちょっとしたことをこつこつ率先して実行し、強いチームを作っていくのが私なりのリーダーの役割なのかなと最近は考えています。
同じようにリーダーとしてのチーム作りを模索している人の参考になると嬉しいです。
*1:CREについての詳細はこちら。CREチームを設立しました!
*2:CS: カスタマーサポート
ユーザーサプライズファースト: 弊社の企業理念