リーダーはいきもの係
約一年前、上司に「誰もやる人がいないならやります。」と返事をして、意識が低ーい状態から私のリーダーとしての仕事がスタートしました。
当時は人への関心が薄く、マネジメントにも興味がありませんでした。
ただ、自分のエンジニアとしてのスキルには不安があり、エンジニアリング以外のスキルも身につけないとなという漠然とした考えはありました。
やってみて自分には向いてないなと思えばやめようと考えていましたし、今でもそう考えています。
これまでやってみて「あー向いてないかもな…」と思うことはあっても、「どう考えても向いてないな」と思うことはまだないので続けています。
リーダーをやってみて1年(とちょっと)という区切りで、自分がどう変わっているのかを確認するという目的でふり返ってみます。
チームはいきもの
チームには多様な価値観を持つメンバーが集まっていて、1人1人日によって状態が違うこともあれば、時間が経って考えが変わることもあります。
チームもいきものと同じで、日々変わり続けていくものだと思います。
穏やかな時もあれば、荒れている時もあります。病気になることもあります。
チーム作りについて、数ヶ月前にこちらの記事に自分の考えを書きました。
その記事では強いチームを作るために必要な3つの項目を本から引用し、それらに対する私の考えを書きました。
- 安全な環境を作る
- 弱さを共有する
- 共通の目標を持つ
その考えは今でもベースとしてあります。
それにチームは日々変わり続けていくものだという考えが加わりました。
今は、変わり続けていくチームの状態をよく観察し、自分が持っている情報を更新しながらチームに向き合っていく必要があるなと考えています。
もちろん、チームのお世話はメンバー全員でしていくものだと思いますが、いきもの係として音頭を取るのがリーダーだと思っています。
1on1はメンバーの観察日記
チームはいきものということを前提にして、1on1はチームとメンバーの観察の場だなというのを最近は強く感じています。
メンバーと1on1を始めた当初は、
- 信頼関係の構築
- 思考の整理をサポートする
この2つを目的としていました。
今はそれらと合わせて、メンバーの価値観、考え方を知るというのが加わりました。
とは言ってみたものの質問はまだまだヘタだなと思いますし、どういうことを聞いていけばいいんだろうなと考えながら毎週1on1をしています。
最近「会話の引き出しを増やす 1on1カード」というすばらしいアイテムを手に入れたので、こちらを参考にしながら1on1スキルを伸ばしていきたいです。 booth.pm
自分のお世話も大事
自分が健やか、かつ余裕のある状態じゃないと、自分以外の人のことを考えるのってなかなか難しいです。少なくとも私はそうです。
いかにして自分をすこやかに保つか、余裕のある状態に保つか。
自分以外のメンバー、チームについて考えられる状態をどうやって作り出すのか。
リーダーにとってセルフマネジメントのスキルはとても大事だと感じました。
特別変わったことではないですが、自分が意識していることを2つあげてみます。
ネガティブな感情を抑え込まない
これはもちろんネガティブな感情をそのまま言動、態度に表すということではないです。
仕事をしている中で、ネガティブな感情を抱いたことがない人はまずいないでしょう?
ネガティブな感情を抱くこと自体はどうすることもできないです。
ネガティブな感情に対して、こんなことで嫌な気持ちになるなんて人ができてないなと思う必要はないです。
代わりに、自分がなぜそのように感じたのかを考えるようにしてみます。自分に対して1on1をするような感じかもしれません。
何か胡散臭いなと思うかもしれませんが、続けてみると自分はこういうことが嫌なんだなというのが何となくわかってきます。
自分のことなのに何となくわかってきますというのも変ですが、もう何年もつき合ってきたはずの自分に対して「あぁ、そうだったんだ。」と気づくこともあります。
リーダーになってからは特にネガティブな感情を悪いものとして考えないようにしていたのですが、考えないようにするほど余計意識してしまい逆効果でした。
自分で自分を否定しているようなものなので、とてもストレスが溜まります。
ネガティブな感情に対してはセルフ1on1での対処をおすすめします。
メンバーに頼って自分に余裕を作る
サボっているわけではないですよ?
自分で手を動かして何かを作り出している時は、成果が見えやすく安心感もあります。楽しいですしね。
しかし、その安心感を手放してマネジメントについて考える時間を作ること。それが自分の役割だと考えています。
私の場合、今メインで担当している業務は1ヶ月〜1ヶ月半周期で忙しい時期がきます。
だいたいの場合どうにか一人で締め切りまでに間に合わられるボリュームではありますが、メンバーやチームを見る余裕はなくなります。
(属人化を防ぐという別の目的もありつつ)余裕を作るために、メンバーに(時には上司にも)タスクを分担してお願いするということをしています。
みなさん自分の業務がある中でこころよく引き受けてくれるのがとてもありがたく感謝しています。感謝。
その分、私は私の役割でチームに貢献していかないとなとあらためて思います。
おわりに
いきものをお世話する時は、毎日見ていないと何か起きていてもその変化に気づけません。
チームやメンバーも同じで、毎日見ていないとその変化を見逃してしまいます。
健やかなる時も病める時も、変化を見逃さず対応していけるよう日々チーム、メンバー、自分を見ることを忘れずに続けていきたいと思います。