「ずるい言葉」に惑わされずに生きる
10代から知っておきたい あなたを閉じこめる 「ずるい言葉」という本を読みました。
「もっともらしいことを言われているようだけど」
「自分のことを考えて言ってくれているようだけど」
何だかモヤっとする。
そんな経験ないでしょうか?
この本では、そういった納得のいかないモヤモヤする言葉を「ずるい言葉」と名づけています。
そして、その「ずるい言葉」を見抜いて対処していく考え方が書かれています。
「ずるい言葉」に惑わされないために、どのような言葉が「ずるい言葉」なのか見ていきましょう。
この本では「ずるい言葉」を以下の8つのカテゴリに分けて説明しています。
第1章 “上から目線”がカクレた言葉
あなたのためを思って言っているんだよ / そんな言い方じゃ聞き入れてもらえないよ
どちらにも問題あるんじゃないの? / はっきり言わないあなたが悪い
言われた本人が傷ついてないんだからいいんじゃない? / いい意味でらしくない第2章 ”自分の都合”がカクレた言葉
もっと早く言ってくれればよかったのに / 別に知りたくないから黙っていてくれればよかったのに
そういうことはそういう人たちだけでやってくれ / あれもこれも言えないとなるともうなにも言えなくなる第3章 ”わかってる”がカンチガイな言葉
友達にいるからわかるよ / 身近にいないからわからない
一方的に批判するからわかってもらえないんじゃない?第4章 ”決めつけ”がカンチガイな言葉
やってみればそのよさがわかるよ / そのうち気が変わるんじゃない?
傷ついたのもいい経験だったんじゃない?第5章 ”思いこみ”がカンチガイな言葉
自分で言うのはよくて、人に言われるのはダメって変でしょ / 自分がされていやなことを人にしなければいいんでしょ?
いちいち取り合ってたらそいつと同じレベルになっちゃうよ / ひどいとは思うけど、そこまで傷つくことかな?第6章 ”偏見”がカクレた言葉
私には偏見ないんで / 悪気はないんだから許してあげなよ
心の中で思ってるだけならいいんでしょ?第7章 ”時代のせい”がカンチガイな言葉
昔はそれが普通だったのに / いまはそういう時代じゃないからね
最近は普通の人間が生きづらくなった第8章 ”差別意識”がカクレた言葉
差別なんて絶対になくならない / 差別があると言っているうちは差別はなくならない
これは差別ではなく区別
どうでしょう?
言われた / 言ったことのある言葉はありますか?
(もちろん、前後の会話もあるのでその言葉自体が「ずるい言葉」というわけではありません。)
「ずるい言葉」には
上から目線、自分の都合、偏見、差別意識が隠れていたり
わかってる、決めつけ、思いこみ、時代のせいといった勘違いが含まれていたりします。
これらの「ずるい言葉」について、4つのパートに分けてわかり易く説明されています。
- 会話例 : 「ずるい言葉」を使用した会話例。
- 解説 : 会話例の中のその言葉がなぜ「ずるい言葉」となるのか。考えるポイント。
- 対処 : その「ずるい言葉」から抜け出すための考え方。
- 関連用語 : 会話例、解説の背景にある出来事、思想など。
中学生から読めるように書かれた本なので、易しくすんなりと理解できる文章で書かれています。
(会話例も中高生になじみのある内容となっているので、少し置きかえて読む必要はあるかと思います。)
しかし、大人が読んでも気づきのある面白い内容だと思います。
誰かから気になる言葉を投げかけられた時に、「その言葉にずるさはあるのか、ないのか?」を考えて見抜くヒントが書かれています。
また、「ずるい言葉」を知ったうえで自分が気をつけなければならないこともみえました。
- 自分の考えを守るために、誰かの言葉を「ずるい言葉」と決めつけないこと
- 自分が誰かに「ずるい言葉」を使わないようにすること
この2つを意識しつつ、「ずるい言葉」に惑わされないように考えていくことが必要だと思います。
おわりに
この本は受け取る必要のない「ずるい言葉」を見抜き、サッと切り替えて
自分が本当に向き合う必要のある課題に向かうための1冊だと思いました。
もし、私と同じように「ずるい言葉」で立ち止まっている人がいたらぜひ読んでみてください。